どうもハウスです
2018年度東京医科大学が女子受験生の点数を一律に減点していた不正入試が発覚し、多くの女性医学部受験生が憤りと入試に対する不信感を感じたかと思います。受験は1年間に1度しか受験できないのに点数調整が不正に行われ、一部の受験生が不利に、または有利に立つなど受験生の人権を侵害した許されない行いだと僕も思います。
僕の受験時代から、裏口入学や年齢差別などが行われているという噂が結構ありました。特に私立大学ではそういう系のうわさが絶えず不正入試が発覚した際もそこまで驚きを感じませんでした。
ただ僕が個人的に感じたのは国立大学ではどうなのか?という疑問でした。そこで今回は2019年度の入試結果を踏まえて不正入試が国立大学で行われているのかを調べていきたいと思います。ちなみに2018年度の不正入試から文部科学省が国立大学でも不正入試の疑いがある大学を調査したところ神戸大学が一部の受験枠で過疎地域出身の受験者を優遇していたことが判明した程度でその他の大学では不正はなかったそうです。
僕個人の受験経験としてはある大学は確実に差別を行っていると感じていますので、それについては記事の最後でデータを示してから述べます。受験生の皆さんは志望校を決める際の参考なったら幸いです。なお出典は大学改革支援・学位授与機構「大学基本情報」コチラをクリックすると飛びますから引用させていただきました。
医学部受験では3つの差別があると考えています。1つ目には性別による差別。2つ目には年齢による差別。3つ目には出身地による差別です。各差別に関して擁護するつもりは毛頭ありませんが、一応なぜこのような差別が存在するのかについて軽く触れますと、性別による差別は女性の出産による医療現場からの医師の減少、また外科系などの職に女性が就かないことによる診療科の医師の偏在が原因です。年齢による差別には定年までの年月を考えると1年でも長く医師として働いてもらいたいため若い学生を大学に迎え入れたいという考えが原因です。出身地による差別は都会から地方大学へ来た学生が卒業後地元へ帰省してしまうことが多いために地方の医師が過疎化するためできるだけ地元の学生を優先して合格させたいという考えがあるからです。
こう考えるとすべて合理的な理由であり、決して現場の人間によるエゴなどではないとは思えますが、問題は募集要項などに一切明記せず受験をさせることにあるように思えます。
さて話を戻して上記の差別が実際に国公立大学で存在するのかを2019年度のデータを基に調べてみました。下記のデータの見方ですが、左から21歳以上の合格者の人数、合格者の中での最高年齢、合格者全体に占める女性合格者の比率、合格者全体における地元以外の出身者合格率について示しています。21歳というのは3浪以上の受験者の判別のためですが、年齢のみの情報では再受験と多浪生の区別はできませんが、ここではすべて多浪としてカウントしています。また、地元以外の出身者とは大学が存在する都道府県以外の高校からの受験者を示しており、受験者の実際の出身地を示しているわけではありません。以上のデータを基に僕が多浪寛容度、女性寛容度、非地元寛容度を高い順にS~Eランクで評価しました。ただ、ランクの基準はやや主観的なものですので信用度は低いと考えてください。一応全国公立大学の平均値を示しておきます。
合格者全体に占める21歳以上の割合の平均値は10.1%、女性の割合の平均値は32.3%、非地元出身者の割合の平均値は61.6%となっております。
検索の利便性から地域別に分けて公表します。
北海道・東北地方
特筆すべきは北海道大学・東北大学の女性の比率18.6%と19.0%、東北大学・秋田大学の21歳以上の割合2.9%と3.2%、札幌医科医学の地元以外の合格者の割合11.8%ですかね。難関大学では女性の割合は低くなる傾向がありますが、2割を切るのは調整の可能性を否定しきれないところではあります。また21歳以上の割合が低い東北大学と秋田大学ですが、合格者の最高齢を見てみると東北大学が26歳、秋田大学が30~34歳となっております。
最後に出身地差別についてですが、札幌医科大学が10%程度とあまりにも低い値となっております。これについては入試で調整が行われている可能性がありますが、卒後9年間北海道内の病院で勤務する道内縛りがあることも一因していると思われます。ただし、道外の人でも北海道医療枠での出願は可能です。
関東地方
最初に申し上げますと、東京大学のみ理類全体での報告となりますので医学科に限定したものではありません。
特筆すべきは21歳以上の割合では筑波大学2.2%・千葉大学3.3%・東京大学1.4%・東京医科歯科大学0%、女性合格比率では東京大学が13.4%となっている点です。
年齢ついてですが、筑波大学では最高齢は29歳、千葉大学では22歳、東京大学では35∼39歳、東京医科歯科大学では19歳となっております。東京医科歯科大学以外について最高年齢で見ると千葉大学が22歳とやや低めですので少し注意が必要です。東京医科歯科大学は年齢制限を設けてる気がしたのですが、募集要項を確認しても特に記載がありませんでした。
中部地方
特筆すべきことは浜松医科大学の21歳以上の割合が4.4%、名古屋市立大学の非地元占有率19.6%ですね。
浜松医科大学での合格者最高年齢は28歳となっています。名古屋市立の出身地差別に関してですが、県外占有率19.6%は低いかなと感じます。都市部で人口が多いからとはいえ、同じく都市部で人口の多い場所に位置する横浜市立大学や大阪市立大学の値が5割程度あるのでやや不信感が残ります。
近畿地方
特筆すべきは滋賀医科大学の合格者中の21歳以上の割合が33%とかなり高い値であること、逆に京都大学で1.8%、大阪大学で1.0%と難関大学特有の低値となっていることです。
また、最高齢では京都大学で21歳、大阪大学で24歳とやや低めである点です。他にも神戸大学では40歳以上の入学者がいることなども目に留まります。
個人的な見解ですが京都大学では年齢が1歳上がるごとに多少の減点をしているとのうわさを聞きましたが可能性はややありそうです。
中部・四国地方
特筆すべきは島根大学の合格者中の21歳以上の割合が27.5%、香川大学の23.9%ともに人数で見ても28人と26人と比較的多い点、逆に岡山大学は21歳以上の割合が4.5%と低い点であること。
年齢については岡山大学の最高齢が28歳と多少低めということです。
九州地方
特筆すべきは九州大学の女性の割合21.4%、佐賀大学の合格者中の21歳以上の割合4.7%、琉球大学の非地元占有率34.8%です。
九州大学の女性比率につきましては難関大学特有の現象だと考えてもいいかもしれません。合格者最高年齢については佐賀大学の21歳はやや低すぎる印象を受けます。また、そこまで低くはないものの琉球大学の非地元占有率34.8%も全国平均の61.6%を大きく下回る結果となっております。僕は何度もこのブログで申し上げている通り琉球大学は面接点数で出身地域差別を行っている可能性が高い気がします。
いかがでしたでしょうか?これを基に志望校の決定に役立ててもらえればうれしいですが、すべては単なる数値に過ぎません。あまり深刻に考えすぎずに参考程度に役立ててください。また個別に各大学についてさらなる調査をすすめていきますのでしばしお待ちください。ここまでお読みいただきありがとうございました。